そらのおとしもの
閲覧ありがとうございます!
先日参加した、t/Tさん(@tTriaak)とまぐなむ。さん(@m_gn_m)主催の「スカイバトル3on1」についての記事です。
今回ぼくが出した結論は、
①高火力を相手に押し付けるアタッカー
②アタッカーを受け切る受け
③受けを搦め手で崩せる崩し
の3つの役割を2つ以上持てるポケモンのみでパーティを構成できたら、一番高い勝率を保持できるのではないか、ということです。
そこで①②③を満遍なく兼ね備えた、①③を満たしている、②③を満たしているの3体を採用して本番に臨みました。
もともとの枠は、②③を満たしているかを採用するつもりでしたが、大会当日に考察再開した時にの通りの良さに気づいて変更しました。
結果は、予選ブロック2位抜け、決勝トナメ1落ちでした!......
◎大会の説明
ルール発表:2018年8月9日(木)(開催4週間前)
開催期間:2018年9月9日(日) 19:00~
ルール:形式は、基本的にはスカイバトルのルールに従ったシングル31の1on1。参加可能ポケモンと使用できる技には制限がある。特筆すべきなのは、身代わりが禁止されていること。持ち物は襷、メガストーン、Zクリスタル禁止。過去作産個体は使用可能。詳しいことは下記リンク参照。
【オンライン大会】スカイバトル3on1 要項 - t/Tのパワフルハーブティー
◎参加可能ポケモンの確認
ルールおよび参加可能ポケモンから以下のようなことがわかる。
1.Zクリスタルとメガストーンが禁止であるから、拘りアイテムのトリックとすり替えが強い。
2.飛行タイプを持っているポケモンがほとんどなので、岩・氷・電気タイプの技が通りやすい環境である。
3.襷が禁止されているため、襷カウンター・襷がむせっか戦術がしづらい。
4.身代わりが禁止であるため、一撃技を撃ちやすい。
5.身代わりが禁止であるため、毒みがまも戦術が不可能。
6.滅びの歌を覚えるポケモンが何体かいるので、滅びの歌による判定勝ち戦術が可能。
◎構築経緯
Part.1 注意したポイント
今回パーティを組む際に、以下の2点を意識した。
一つ目は、先述したように、
①高火力を相手に押し付けるアタッカー
②アタッカーを受け切る受け
③受けを搦め手で崩せる崩し
の3つの役割の内、2つ以上の役割を持てるポケモンを採用することだ。
これにより対応範囲を拡張できて、出し負けする可能性を減らすことができる。
二つ目は、あらゆるポケモンに対して、特に本番採用率が高いと予想されるポケモンに対して、3体中2体が勝てるように、つまり2/3で選出ジャンケンで勝てるようにパーティを組むことだ。
これも、出し負けをする可能性を減らすことができる。
Part.2 対応力が高いポケモンの選定
参加可能ポケモンを確認したところ、がなんと①②③を全て満たしていたので、まずこの神ポケを採用した。
高いA、タイプ一致の逆鱗、豊富な技範囲で①を満たしている。
特性マルチスケイルにより、H振りすることで意地の鉢巻逆鱗も、控え目の眼鏡流星群も受かるため、②も満たしている。
初代限定技マシンでつのドリルを覚える上、持前の高耐久で大体の受けポケモンに対して試行回数を稼ぐことが可能なので、③も満たしている。
まさにこのルールの申し子と言えるし、実際KP1位だった。
とにかく②③を兼ね備えたアタッカーって感じ。
次に受けを探していたところ、物理受けのと特殊受けのが候補に上がった。
は一見②の役割しか持てないように見えるが、実は拘りトリック戦術が使えるため、③の役割も果たすことができる。
眼鏡と鉢巻は相手の火力を上げてしまうため、上からトリックして1ターン目から相手の行動を縛ることができるスカーフを選択した。
とにかく③の役割もこなせる(=受けミラーに強い)受けって感じ。
は特性プレッシャーと眠るを合わせることでPP枯らしが可能あるし、絶対零度もできるため③の役割も果たせる。
「心の目+零度」が強いという噂も流れたが本番では使われなかった(らしい)。
の鉢巻逆鱗も調整すれば耐えるので両受け可能。怖いのは不意の岩技くらい。
かは物理耐久が皆無(のイメージ)だが、4倍弱点がないのが強み。飛行タイプがないため電気技も怖くなく、特殊受けとしてはかなり安定する。それでも岩技飛んで来たら倒れそう(というイメージがある)。
両方とも受けとして高評価だが、あまり能動的な勝ち筋がないため、微妙だと感じながらも、とりあえず本番はこれ行くかと考えていた。
鉢巻/スカーフ/何かを持ったかのカイリュークレセ軸が最強でしょという感じの結論を出して考察を一旦終えた。
Part.3 大会当日の考察による変化
大会当日になって、配分を見直すついでにもう一回考えるかと考察を再開した結果、の鉢巻諸刃ってめちゃくちゃ通りよくないか?!と気づいて、速攻で微妙だと思っていたを解雇した。
それに伴いの型を変えることになったが、の鉢巻諸刃の火力がヤバ過ぎて、もはやカイリュークレセ軸最強!からアーケクレセ軸最強!となっていたので、どんな型でもいいやって感じになっていたので特に躊躇もしなかった。
そこで、どうせ「マルスケ+耐久調整」で色々耐えるし、鉢巻逆鱗の瞬間火力がないと絶対負ける相手もいないし、弱保持たせて龍舞でもするかと考えた。
これによりスカーフへの勝ち筋がドリル連打しかなかったのが、龍舞で上を取りつつ、次のターンに上からA+3逆鱗を叩き込んで倒すルートができたので、なかなかよさげじゃない?って感じで採用した。
結果、鉢巻/スカーフ/弱保のアーケクレセ軸が最強だという結論に至って、考察を終えた。
◎採用ポケモン
性格:陽気
特性:マルチスケイル
持ち物:弱点保険
努力値:244-44-60-X-84-76
実数値:197-160-123-108-131-121
調整意図
HB 意地の鉢巻逆鱗15/16耐え
HD 控えめの眼鏡流星15/16耐え
S 無振り+1
A +3逆鱗で無振りを15/16で1発
技構成
逆鱗 タイプ一致高火力技。フェアリーがほぼいない環境なので通りが良い。
龍舞 積み技。龍舞からのA+3逆鱗でスカーフを倒す予定だった。しかし、めもさん(優勝者)のHCスカーフに耐えられて目の前が真っ黒になった。
火炎放射 ピンポイント対策。鉢巻炎パンでも確2は取れない。
ドリル 受け崩しの技。スカーフじゃない一般的なHBにはドリル連打で勝つ予定だった。まぁ本番ではいなかったらしい。
使用感など
最初の考察では軸となる最強戦士だったけど、軸がすっかりアーケクレセになったことで、もはや一番出さない枠になってしまった。
本番でも勝率0%だったし何かもっといい型があったに違いない()
決勝トナメでめもさんと当たって、の並びを見た瞬間スカーフと決め打ちして初戦で対策枠その1のを合わせに行った。実際上から冷ビが来たから勝ちを確信したが、HC極振りという予想外の型だったため、耐えられて負けた。
ちなみにめもさんの記事で数値確認してダメ計したところ、僕ののA+3逆鱗が84.5%〜99.5%だったのでワンチャンもなくて泣いた。
性格:控えめ
特性:浮遊
持ち物:スカーフ
努力値:252-X-0-196-0-60
実数値:227-X-140-132-150-113
調整意図
H 余りで最大値。これにより控え目の眼鏡悪波も1回は耐える。
C 無振りを冷ビで98%で乱2
S ×1.5で最速+1
技構成
冷ビ この環境で通りが良い技。唯一のウェポンでもある。
トリック 型のコンセプト技。通りがかなりよくて感動した。
眠る トリックをした時に毒が入った場合のケアとして、ミラーを意識して最大限の勝率を保てる技として、PP枯らしのための最強の技として採用した。
瞑想 色々迷った枠。トリックした後に、瞑想を1回挟んで相手の攻撃を3耐えできるようにしてから、眠るを繰り返してPP枯らすために採用。2つ目のウェポンとしてムンフォを採用せず、「1ウェポン+3補助」の構成にしたことでめいろさんに変態だと言われた。
使用感など
最強の隠し玉だと思っていた枠。しかし本番ではスカトリ使いが4人以上いたため、もはや隠し玉でもなんでもなかった()
スカーフなのに最速も抜いていないというガバガバ調整のおかげでに一回負けた。
あと初戦でくまーさんと当たったとき、スカーフの悪波怯み+悪波急所で負けて悲しかった。せめて1試合目で見たらトリック押してぇ~と切に願った。
ただ、うなさんのと連続で2回対面したとき、「一回冷ビで凍らせる+エアスラで1回しか怯まなかった」という凄まじい自覚を見せて、2-0を取ってくれたのは嬉しかった。
決勝トナメでめもさんに1試合目でを倒されてから、2戦目もスカーフが来るのが読めたので、ならば今度はこっちのすら抜けてないスカーフで下を取って勝ち確!って思って選出したが、相手がまさかのS無振りで、お互い眠る持ちでPPもMAXだった。
そのため、悪あがき合戦になった時、こちらのが速かったので先に倒れてしまい、再び目の前真っ黒になった。
結局、対策枠その3のを合わせに行くべきだった...
ちなみにスカトリのアイデアは、一緒に考察してくれたひやしうめがくれたもの。周りにいるポケモンをしている数少ないリア友の一人で、いつも変な型(最近だとに強いらしいCDカムラとか)を開発していて、発想力がすごいといつも思っている。
また、彼はt/Tさんがポケ勢最強ブロガーだとも激しく主張していた。
性格:意地っ張り
特性:弱気
持ち物:拘り鉢巻
努力値:44-244-0-X-0-220
実数値:156-210-85-X-85-158
調整意図
H なるべく弱気が発動しづらくなるように、余りをHに
A 確か仮想敵でダメ計した時A210とA211で乱数が変わらなかったため244振り
S 最速+1
技構成
諸刃の頭突き:威力150のタイプ一致ウェポン。意地鉢巻諸刃でH振りも鉢巻逆鱗耐え調整も1撃で消し飛ぶ。やはり1on1ではタイプ一致150技は正義。命中が80%なのが気になるが、最近ずっと躊躇なく気合玉を飛ばし合う魔境のGSで戦っているせいか、信用できる数字に見えた。
すり替え:先述したように、Zクリスタルもメガストーンも禁止されているため、拘りアイテムのすり替えが通る環境であるということで採用。これにより遂行速度が遅い物理受けを止めることができる。
熱風:ピンポイント対策。本番で撃つことはなかった。ほかにはいちゃもん・叩き落とす・鉄壁・眠るの採用も考えたが、パーティがムドーを誘いそうな見た目しているので、熱風にした。諸説枠。
羽休め:回復技。クレセリア対面はどんな型であろうと冷ビから入ってくると想定し、ゴツメなどのHB物理受け型には「鉢巻すり替え+諸刃+HP減ったら羽」、C振りスカーフ型には「鉢巻すり替え+上から羽連打でPP枯らし」というムーブで倒すつもりだった。相手がC振りスカーフ型なら、冷ビでこちらの弱気が発動してしまうが、スカーフを奪ったら(多分)上を取れるから、上から羽できる。一方、相手がゴツメなら冷ビで半分は入らないから、その場合も上から羽連打が可能。
使用感など
大会当日の朝に考察を再開した際、鉢巻より鉢巻の方が通りが圧倒的にいいことに気づいて、急遽採用した子。
本番では一度も諸刃の頭突きを外さなかった!偉い!
ただ考察したのが当日の朝だったので、本当に「すり替え+羽」で受けを崩せるかどうかはちゃんと確認できていないため不明。
一応対スカーフのシミュレーションは5回して4回勝てたので、対スカーフ性能だけは確認した。
あまりにも脆いので、こちらより速いポケモンと対面すると何されても弱気発動してしまうので、思ったより選出できなかったのが予想外だった。
◎反省
考察を再開したのが当日というガバガバすぎる取り組みのせいで、ベストな調整から程遠かったのが悔やまれる。
とにかく今回の大会を通じて得た知識は
①3体で全対応は基本不可能だけど、優勝者のめもさんがそれをほぼ実現したため、ちゃんと考察すれば全対応も可能かもしれない。
②参加可能ポケモンが多い(50体以上)時は、狭く深く見るより浅く広く見た方が勝率を高く維持できる。
③性能は微妙でも強い選出誘導力を持っている個体は入れ得。例えばタイプ受けしないと、あるいは上取られたら永遠と怯ませられて負ける可能性があるや、その選出を躊躇させるなど。
④Zクリスタルやメガストーン禁止の環境ではトリック・すり替えはめちゃくちゃ通る。
⑤一撃必殺技は2発撃てば当たる確率は51%である。まるさんが主催した「カミツルギ1on1」の準優勝者のシュロトさんも、今回の優勝者のめもさんも記事でそう言っていた。つまり、単体の対応力を最大限広げたい1on1では、技スぺを圧迫しないようなら一撃必殺技は入れ得である。
⑥冒頭に述べたような、「1体で3つの役割を2つ以上こなせるポケモンが強い」という考えは多分正しい。
⑦パーティを組むとき、「どんなポケモンに対しても3体中2体が勝てるように、つまり常に2/3の確率で選出ジャンケンで勝てるように組むのがいい」という考えは多分正しい。
◎感想
おそらく夏休み中に参加する最後の特殊ルール大会でしたが、めちゃくちゃ楽しかったです。主催のt/Tさん、まぐなむ。さん、本当にありがとうございました!
一緒に考察してくれたひやしうめさんといぶさんもありがとうございました!
また、今回の優勝者であるめもさんとは、この前せうゆさんが主催した「顎の発達したポケモン1on1」でも対戦しましたが、その時からその計り知れない考察力に感動していました。
何というか、こちらがメタ張りの最前線の型だと思っている型でも、めもさん的にはケアする対象の一つに過ぎないことが多々あって、手の内全て読まれていることに恐ろしさすら感じます。
今回そのめもさんがしっかり優勝されたことについても、ただただすごいという言葉しか出ませんでした。本当におめでとうございます!
「いつかめもさんも思いつかないような型で勝ってリベンジしたい!」、そういう目標ができた大会でした🔥