NO FISH, NO DOG, NO CAT.
VGC2022にて、2022年1月下旬から6月の全国大会まで、ルールの序盤から終盤まで約半年使用し続けた「ソルガレオ+ムゲンダイナ」の構築記事です。とにかく「択や読み合いの最小化、再現性の高い勝ち方の実現」を意識した構築です。
なお、記事タイトルは自分がVGCで感動した構築記事TOP3の一つであるこな (@26ko7) / Twitterさんの『メガなし、カプなし、彼女なし』(https://drive.google.com/file/d/1_bSWjZ3qjXIr9NqQSqHtLj0PCECCV-qz/view)をリスペクトしたものです。
構築内容
1月下旬 ~ INC March
INC March終了 ~ 全国大会
Pokepast
https://pokepast.es/a14625b30a12cff8
戦績
①2月 2022 International Challenge February
最高1867 その後連敗して予選通過ならず
②3月 2022 International Challenge March
最終最高1879 最終28位で予選通過
③4月 2022 International Challenge April
構築を渡したシグマ (@zenchino115)が
1800超え その後連敗して予選通過ならず
④6月 ポケモンジャパンチャンピオンシップス2022
3-3 世界大会出場ならず
構築コンセプト
択や読み合いの最小化、再現性の高い勝ち方の実現。
例えばザシアン使用しているときの「ミラーで自分の方が遅く、相手の巨獣に縛られているから守りながらガエン出して縛り解除したい...でも守るに身代わり合わせられたらキツイ」、「目の前には巨獣通るけどガエン交代されるとダメージレースで優位に立てない、読んで聖なる剣打つか?...」みたいな(自分としては不毛に感じる)読み合いが毎試合続くようなことは精神面への負担や勝率の不安定を考えるとなるべくしたくない。
択や読み合いが少ない≒再現性高く勝てる。とにかく相手にどう出されてもこちらの1つの選出で100回やって90回勝てる状態をどんな構築に対しても作りたい。もちろんそんなことは不可能で、どう足掻いても環境には自分にとっての有利構築と不利構築は存在するので、色々な調整を通じて最大勝率を出せるように頑張るしかない。
結局、色々頑張った結果、この構築は
勝率100%:
(脳死で勝てる)
勝率90%:
(びっくり択取られない限り勝てる)
勝率70%:
(多少択が絡むが基本的には有利択を取りやすい)
勝率50%:
(比較的厳しい択を迫られる)
勝率0%:
(どうあがいても無理)
という構築になった。
主な勝ちパターン
①または()の要塞化+詰ませ
の両壁+()のデバフ+のスチル/アース+のコスモパワーで、過保護しながら防御と特防を安全かつ高速で上昇させる。
このルールの物理アタッカーの頂点であると特殊アタッカーの頂点であるでダメージ計算をしてみると、
A222A+1巨獣斬⇒B+1:87〜103(35.5〜42.0%)
C202大アイス⇒D+1:116〜138(47.3〜56.3%)
C202W雨しおふき⇒:84〜99(34.3〜40.4%)
通常、が着地するときにはリフレクor光の壁によるバフ+鬼火or怪電波or虫の抵抗による相手へのデバフが完了しているため、実際には上記ダメージ計算よりもっと余裕のある状態から動き始めることになる。
また、実機では20分という時間制限があり、要塞化構築としてTOD負けをしないための工夫が求められる。色々考察した末、とにかく「どくどくを搭載し、10分経過時点で2体倒し、20分経過時点で3体倒す」を意識すればTOD負けは避けられるという結論にたどり着いた。
前半10分で相手を2体倒し、残り10分で、でどくどくを相手の片方に入れれば、相手は2体しか居なくて交代できないので、毒ダメージが1/16→2/16→…→と増えていき、たとえ状況的に厳しくコスパと再生を連打するしかないとしても、残り10分あれば毒ダメージで1体は確実に倒せる。そして、仮に相手を3体しか倒せず、最後VSのような1対1の状態で試合時間終了したとしても、ラストターンに下から再生して回復できていれば、HP実数値に約50の差があることを利用してTOD勝ちできる。
「どくどくの採用によるTOD負けの回避」という点が、同じく要塞化を狙う構築であるジガルデ構築より優れた点だと考えている。
②弱点保険で全員なぎ倒す
のぶん回すorの味方マジフレor相手に殴ってもらって弱点保険を発動させ、隣にバフをかけながら相手をなぎ倒す。
ただ、は硬そうに見えて実は脆く、初手からダイマックスをすると撃ち負けることもしばしばあるため、基本的には壁貼ってから後発でダイマックスする。
①と②の2パターンに分けたが、実際は単純な詰ませと単純なビートダウンで勝つことは稀で、大体①②の複合で勝っている。
【構築経緯】
VGC2022初期は、何となく という、特にコンセプトもなく、スタンっぽくて、火力高そうな、王道っぽいパーティを使っていた。
序盤はこれでもまぁまぁ勝てて某で1700くらいまで行ったが、練習の過程で下記のようなことが気になっていた。
①ガオガエンの威嚇がうざすぎる問題。
禁伝が物理2体っていうことで、相手のの威嚇が凄くストレスに感じる。
②ザシアンミラーが不毛すぎる問題。
使用率の高いはミラーにおいて互いの素早さの大小関係で有利不利がはっきりしている。
そして、S遅いほうの「守る+横交換」のような縛り解除ムーブには、常に相手の身代わりなどが大きすぎるリスクが付きまとうので、毎試合読みが必要であり精神負担が大きい。
③選出可能パターンが多すぎる問題。
高種族値スタンっぽい構築の特徴として、可能な選出パターンが多い。これは良い点だとも言えるが、「〇〇出してれば勝てたのに~」という選出ミスに泣く試合が増えるし、そもそもどんな選出が正解なのか一生分からなくて反省のしようがない試合も増える。
反省のしようがない試合が増えるということは、練習にかけた時間に対するリターン(構築の理解度の上昇、立ち回りの精度の上昇、選出の正解率の上昇など)が減るということであり、練習効率が悪いということである。
実際、「今日何時間も対戦したけど結局なんか成長したかな?」「あの試合ではあーやって選出してあー立ち回って勝ったけど、同じ構築ともう一回対戦して勝てるのかな?」という感想を抱くことが多かった。
④後発に置いて強い一般枠がいなさすぎる問題。
このルールでは
先発:一般枠①+伝説①
後発:一般枠②+伝説②
のような選出が多いと思うが、自分的には後発の一般枠で強く動かせるポケモンが少なすぎて、試合終盤の息切れ感が強くて苦しいと感じていた。
この①②③④が気になり、 のようなスタン構築を使って予選の45戦なり90戦なりで上位30位に入るの無理じゃね?と感じるようになり、何とか解決できないかと考えた。
そこでふと、VGC2020のころずっと使っていた
壁+鬼火バクア+弱保+鉄壁残飯 or とぐろ再生の「壁+サポート+ダイマ+要塞」という形を、このルールでも何とか再現できないかと思い立った。
要塞化構築は自分がしたいことをほぼワンパターン選出で押し付ける構築なので、対戦では事前に想定した流れに沿って展開するだけのことが多く、対戦中に必要な思考量が少なく、短期間で大量の対戦数をこなす予選形式に合っていると考え、これで「選出のパターンが多すぎる問題」を解決できると思った。
また、「壁+サポート+ダイマ+要塞」の形を取った本構築の基本選出は
先発:一般枠①+一般枠②
後発:伝説①+伝説②
となり、パーティパワーが爆発するポイントが完全に後半にあるので、終盤の息切れ感が無くなる。これにより、「後発に置いて強い一般枠がいなさすぎる問題」を解決できると思った。
このような経緯からまず(1)オーロンゲと(2)ウインディの採用が決まった。
次にダイマエースを考える。バフ技であるスチルとアースを強く使えて、かつ特性で威嚇を無効化できて「ガオガエンの威嚇がうざすぎる問題」を解決できるポケモンとして(3)ソルガレオが候補に挙がった。
はと同じく鋼タイプの物理アタッカーでありながら、ダイマ可能かつダイマすればには有利なポケモンなので、の採用によって「ザシアンミラーが不毛すぎる問題」も解決した。
最後に要塞化ポケモンを考える。ここまでで禁止伝説枠が後1枠余っているので、禁止伝説中心に考えたところ、以下のような特徴を持った(4)ムゲンダイナが最適だと判断した。
・自分でBとDを上げれる「コスモパワー」を覚える
・自分のHPを回復できる「自己再生」を覚える
・環境の中心であり採用率が高いザシアンに対して、特性プレッシャーによりメインウェポンの巨獣斬を最大4回までしか打たせず、詰ませが成立しやすい。
・ザシアンに対して、防御上昇を無視できる聖なる剣を毒タイプで半減できて、詰ませが成立しやすい。
・そもそもムゲンダイナ自体の使用率が低すぎて、よく玉アタッカー型と勘違いされ、守られたり交代されたりするのでコスモパワーを積む隙が多い。
ここまでで4体確定して、残り2枠を探すことに。そして、練習を続ける中で、次のような感想を得た。
がバクアを打てるので、襷を盾に何とか構築にデバフ役として投げれなくもないが、といった特殊火力が高いポケモンに対してもっと安心して投げれるデバフ役が欲しい。そして、ほとんどの試合は「先発+後発」の3体だけでも勝てるので、残りの2枠にもう一体デバフ役ポケモンを採用する余裕がある。
そこで、特殊火力が高いポケモンに対してデバフをかける強いポケモンを探したところ、怪電波という対特殊ポケモン最強のデバフ技を先制で使えて、かつと一緒に出すと負けん気ダイマックスすると相手に勘違いさせ、相手の先発ダイマックスを誘発しやすい(5)ボルトロスにたどり着いた。
の3サポート採用により、
・リフレク+怪電波
・リフレク+バークアウト
・光の壁+鬼火
・怖い顔+怪電波
・リフレク/壁+エレキネット
のような豊富な組み合わせで物理強化/特殊強化/S操作を1ターンor2ターンで実行できるようになった。短時間かつ豊富な組み合わせで有利盤面を作れるようになったり、片方のサポートポケモンを猫騙しで止められてももう片方のサポート技が通る状態を作れるようになったりしたおかげで、有利盤面でエースを降臨させられる展開をさらに作りやすくなった。
ここまでの5体で練習を重ねた結果、大体なんでもこの5体で勝てるようになり、6枠目何入れても選出しないな~という日々が続いた。ちなみに6枠目には何となく玉を入れていた。
このままINC Febに突入するだろうな~って思っていたが、INC Febの1週間前のとある日に、急に某の上位帯でという初めて見かける構築に2連で当たった。どちらの禁止伝説も強力なタイプ一致技での弱点を突けるため要塞化が実現しにくく、「あれこの構築相手にどうやっても勝てなくね?」と強い危機感を覚えた。そして、長年某をやってきて培われた勘によると、「これは間違いなく日本人の共有構築で対策しないと本番でシバかれる」と強く感じたので、急いでに出せるの代わりとなる要塞化ポケモンを探した。
・の両方から弱点を突かれづらい
・とよく一緒にいるに強い
・自分のBとDを上昇させる技を覚える
・回復技を覚える
・当時流行っていた(+など)にも何とか出せる
などの条件を満たせるポケモンを探したところ、
・およびその取り巻きに弱点をほぼ突かれない
・の胞子をスイートベールで無効化できる
・鉄壁瞑想でBDを上げれる
・自己再生を覚える
・B上昇を無視できるの暗黒強打を半減できる(エスパー技であるアシパを採用しているためこちらから有効打は無いが、1on1の盤面にして下から再生連打すればTODで勝てる)
と求めていた要素をほぼ満たせる(6)マホイップにたどり着いた。
また、の主流の型がデコレーション型だという先入観があるので、と共にパーティの上に配置することで、「デコレーション+ダイマックス」のギミックを誤認識させられるという利点もあった。
これで当時存在するほとんどの主流構築に勝てるようなメンツになったので、これを2月予選に持ち込んだ。結果は1860くらいまで上げることができ、日曜日の24:00を回ったときには15位くらいになった。例年の結果からするとあまりにも安全圏に入ったため、「今年最速抜け確定~~」と余裕をこいていたが、なぜか時間が経つのに連れて凄まじいスピードで順位が落ちていき、朝6時頃には30位以外にまで落ちてしまった。そこで、慌てて再開するも怒涛の連敗で虚しく終わった。
ただ、自分としては珍しく構築の完成度に自信があったので、「あと3回予選あるし、このまま練度を上げていけばどっかで抜けれるだろう」と思っていた。そして続く3月の予選で、全く同じ6体のまま最終28位で予選通過することができた。
予選終了後、抜け構築を公開する人が多い中、
・完成度は十分高い
・同じ構築を使っている人がいないからミラーで禿げることがない
・認知度が低い故に事前に立ち回りを想定されることがない
といった理由から、VGC2022はこのパーティと心中することに決め、「マホイップで予選通過したぞ~」のようなツイートもせず、構築を隠したまま全国大会に向けて引き続き同じ構築で練度を上げることにした。
その後の練習の過程で、がウルガモス、がヤドランに変化した。
を変更した主な理由は玉CSの台頭。
環境初期は遅いチョッキ型しかいなかったので、S98族のより遅いS95族ののデバフでも間に合っていたが、2月にCandyさんが「玉CS++襷+」というイベルスタンの完成形とも言える構築で予選通過し、それに追随して3月に同じような構築で予選通過した方が現れたことで、急激に玉CSが増加した。
そして、のエレキネット+の最速ダイアーク、によって光の壁を貼ってもがバクアする前に倒れてしまい、デバフ不十分でそのままが貫かれる負け試合が頻発した。
そこで、と比較して
・同じく範囲技の熱風を、より高火力で使える
・同じく鬼火を使える
・バクアと同じ効果の虫の抵抗を使える
・同じく神秘の守りを使える
(※壁構築の天敵である欠伸を打てるとへの対策となったり、の電磁波から後続のを守れたり、に対する最強の安定択となったりすることから、本構築では必須レベルの技)
・S100族でS98族のより早く動ける
・特性「炎の体」で、鬼火打てなくても触ってもらうだけで相手をやけどにできる可能性がある
という環境的にの上位互換みたいなポケモンであるにたどり着いた。
を変更した主な理由はの台頭。
2月予選でキヌガワさんがこの並びで予選通過した後、3月予選で共有構築でジェラールさんがトップ30に入りつつ、MeLuCaさんが1900overで1位を取ったことで、3月予選終了後にが爆発的に増加した。
同時に、と言ったら相方はでしょ!という雰囲気になり、初期に流行っていた白バド構築である(+など)が完全に環境から消えた。
が主流構築となり、考察が深められていく中で、こちらとしても浅い対策では勝率が高く保てなくなった。ということで、実はの氷技との水技が等倍で飛んでくるからHP管理がシビアで、結構繊細な立ち回りが求められるの枠について考え直すことに。
そこで、
・の氷技との水技を両方半減できてより安心感がある
・鉄壁/ど忘れを使えて、溶ける/瞑想と同じくBDを上げれる
・なまけるを使えて、自己再生と同じくHP回復できる
・鉄壁からのボディプレスが、瞑想アシパよりも少ない積み回数で高い火力を出せる
・防塵ゴーグル+特性鈍感(挑発を無視)の組み合わせで、スイートベール+アロマベールが合体したになれる(最新版ではゴーグル→きのみに)(詰ませをする上でやはりの胞子との挑発が困るので両方シャットアウトしたい)
・多様化するの仲間であるややにもの代わりに強く出れる
・鉄壁ボディプレスなので、バド構築によくいる怪電波イカサマ自己再生トリルのに無限に強い(だと怪電波で完全に腐る)
という環境的にの上位互換みたいなポケモンであるにたどり着いた。
「との共存が無くなったことで暗黒強打をケアする優先度が限りなく低くなった」という環境の変化も加味して、悪が弱点であるを採用した。ちなみにとBDの種族値が入れ替わっただけで全く同じことができるを採用することで構築名をLionKingにできて最高だったが、のBDの種族値配分が悪くてギリギリ欲しい実数値を実現できないため採用を断念した。
個体解説
ソルガレオ
【調整】H212 A187 B127 C119 D112 S163
最初はHAで使っていたが3月予選時点ではASに変更。S97族という「なんで天敵のに1負けてるんだよ」というふざけた数値だが、それでもS95族までの禁止伝説や一般枠が多いことから、行動順を明確にできるメリットが図り知れないASで採用。
【持ち物】弱点保険
弱点突かれやすいし、味方の攻撃による能動的な弱保起動もできるようになっているので、最もダイマックスを強く使える道具として弱点保険を採用。やといったが上から殴られると1回しか動くチャンスがない天敵を弱保ダイマでワンパンするために必須。
【技】
メテオ:メインウェポン。バフ技その1。特性無視でやに強いのもポイント。
地震:バフ技その2。範囲技なのが偉い。
雪崩:に怖い顔を入れて上から大ロックすることで、ヨロギで耐えられても天候を変えることで無理やり獄炎を耐えに行く。
対して大ロックを持っていると、
①やをワンパン
②を弱保ロックでワンパン(アースだとシュカの実で耐えられる)
③天候を砂に変えることでに対して実質D1.5倍
④を投げられても、襷ならロック+砂で死に、ゴーグルならロックでそのまま死ぬ
とほぼあらゆる面倒くさい択を回避して有利展開ができる。
ワイボ:への強打点。また、神秘の守りが切れたあとでも欠伸/眠り粉/キノコの胞子をシャットアウトできる技として重宝する。絶対に眠りを許さない。
「壁あるし守ってる暇あったら攻撃しろ」という信条のもとで守るは不採用。5枠目あったら、弱保大サイコでHBをほぼワンパンできるサイコファングを採用したい。
ムゲンダイナ
【調整】H245 A81 B145 C165 D115 S170
最速100族+3。残りHB。ややから強い物理打点が飛んでくることが多いので防御寄りの配分。ちなみにA222のA+1急所巨獣斬は確定耐えなので、最終局面でと1on1になったら巨獣斬のPPが切れるまで、なんなら試合終了まで下から自己再生連打するだけで勝ち確。(面倒臭くなってマジフレ打ったら2連急所引かれて負けた経験あり)
【持ち物】黒いヘドロ
場に居座るターン数が尋常じゃなく多いので、黒いヘドロによる回復量が合計でとても多い。黒いヘドロこみの耐久指数もとても高いので黒いヘドロ一択。食べ残しでもいいが、トリックやすり替えされた場合、相手にダメージを与えられる黒いヘドロが良い。
【技】
マジフレ:唯一の攻撃技。
①倒すのに3発必要だがの弱点を突ける
②相手のCを下げれる(主にやに打ってへのダメージを減らしつつ弱保ダイマで切り返す)
③の黒のいななきに抗える
④味方のに打って弱点保険を起動できる
といったメリットがある。
ほかの炎技候補として火炎放射があるが、火炎放射には追加効果のC下降がなく、かつ味方に打ったときにやけどしてしまうリスクがあるため不採用。
コスモ:BDを上げる。要塞化するのに必須。
自己再生:回復技。要塞化するのに必須。守るがないので、上からの高打点に対して守りたいときは自己再生を押す。両壁展開して着地すると大体の技が50%も入らないので「自己再生≒守る」になる。下からの高打点に対してはコスモで受ければよい。
どくどく:冒頭で述べたように実機には20分という試合時間制限があるので、限られた時間の中で確実に相手を倒せる最強技として採用。交代されると弱いので、いかにの大マックスで相手を2体倒して、無理やり相手残り2体の盤面を作って交代という選択肢を消すかが大事。要塞化したで1対2やっても勝てるが、1対3になると時間制限がある限り実機では勝てない。
オーロンゲ
【調整】H202 A140 B110 C103 D113 S79
光の壁なしでC202のW雨しおふき耐え
リフレクありでA189のスチル耐え
相手のの捨て台詞より遅く動き、裏から出てくるポケモン(特に)にイカサマや嫉妬の炎を当ててアドバンテージを稼ぐためにS個体値を少し下げている。
【持ち物】光の粘土
要塞化するためには壁のターン数が長いことがとても重要。
【技】
イカサマor嫉妬の炎:5月予選まではイカサマ、5月予選では嫉妬の炎、全国ではイカサマを採用。嫉妬の炎を採用した経緯は、の初手指+剣舞を止める手段がないので、何とか解決できないかと模索した結果嫉妬の炎になった。あと投げされるを燃やせるのが面白い。弊害として、環境で増えつつあるを「虫の抵抗+イカサマ」でファントムガード割りつつワンパンするeasy win展開ができなくなった。
全国大会で結局イカサマに戻った理由としては、が明確に増加していることと、を採用する人がそもそも少ないからである。使用感としては、やはりイカサマのほうが単体性能を最大化できていると感じた。
両壁:コンセプト技。
怖い顔:電磁波との選択。数百戦やった経験値からするとこの構築ではロンゲは怖い顔のほうが強い。
【調整】
H181 A58 B97 C155 D125 S167
に上から虫の抵抗打てるところを評価しているので最速。
には「に怖い顔+虫の抵抗」をすることで、「ネット+ジェット」で虫の抵抗をする前に死ぬことを防げる。その後に光の壁を貼ることで、のダイマ技を耐えつつのA+2ダイマ技で返り討ちできる展開を作る。
また、HB調整したことで「リフレク+鬼火をに入れる」と「大ロック+砂ダメージ」を耐える。
【持ち物】襷
半減実でもいいが、しおふき、メテオビーム、ダイジェット...耐えたい技のタイプが多すぎるので襷。
【技】
熱風:範囲技。「こっちに撃ちたいけど守られたら嫌だな...」という択を回避できるところを評価して採用。
鬼火:物理ポケモンへの最強デバフ技。
虫の抵抗:特殊ポケモンへのデバフ技。この指とまれをされてもちゃんと横にデバフをかける。「猫+何か」で仕事する前に落とそうとする気配を感じた場合のみダイワームをする。
神秘の守り:先述したように、壁構築の天敵である欠伸を打てるとへの対策となったり、の電磁波から後続のを守れたり、に対する最強の安定択となったりすることから、本構築では必須レベルの技。
【調整】H175 A121 B90 C145 D122 S168
最初は穏やかHDで採用していたが、(+など)に構築単位で不利すぎて勝てないことが判明し、何とかできないかと模索した結果、を100族抜きにして初手で「ネット+鬼火」することで、にワンパンされることを防ぎつつ(=ダイマターンをより多く消費して)、その後神秘の守りor挑発での鬼火を封じてを安全展開できるプランにたどり着いた。と良く一緒にいるにも怪電波によるデバフで有利盤面を展開できるので、先発に出して間違いない。
【持ち物】ウイの実(3月まで)⇒万能傘(5月まで)⇒防塵ゴーグル
最初は穏やかHD@混乱実で採用していたが、上記の通り対策で臆病HDSになった。特殊方面の耐久が疎かになったことで、役割対象であるに対して不安定度が増した。そこで、何とか耐久を上げれないかと模索した結果、対で雨を無効化することで疑似的にDを1.5倍にできる万能傘にたどり着く。には薄くなったままだが、後述するぶん回すの採用により多少強くなったので目を瞑ることにした。
最終的には、全国大会では防塵ゴーグルになった。というのも、構築に黒い霧使いのやが採用され始めて、詰ませの試合プランが不安定なったため、そもそもトリルさせないで先発からで暴れてある程度数的有利とってから詰ませにいくプランに切り替えた。そこで初手「+トリル役」を投げられても、怒りの粉を無視して挑発をトリル役に通せるようにするためにゴーグルを持たせた。
【技】
エレキネット:最初は10万を使っていたが、C無振りの10万に特に強みを感じなかったため、代わりの技はないかと模索した結果、S操作可能なエレキネットにたどり着いた。
これにより、+ororに対しての横を殴りつつ、後続のが上を取れるようにS操作できるようになった。
対RinyaSun最終兵器の(参照:【S29ダブル最終8位】狙撃ヌケザシオーガ│リバティノート)にも凄く刺さる(が気合ためするターンにネットで6割削れるため、その後ダイマされてもネット2回目+の範囲技である雪崩or地震で余裕の突破)
ぶん回す:のイカサマを辞めて嫉妬の炎を採用した時に、やへの悪打点がなくなって苦しくなったため、色々考えた結果たどり着いた技。
普通のに対しては
①「光の壁+ネット」
②「ぶん回す+嫉妬の炎+やけど(2発目のアスビorワイフォを貰うと大体死ぬので黒の嘶きが発動して嫉妬の炎でやけどする)」
③「地震」
の順で無理やり倒す。
ただ、「手助け+フィールド眼鏡ワイフォ」をされるとが飛んで、裏のもダイマに貫かれるので、「手助け+眼鏡ワイフォ」の気配を感じ取ったらダイマックスしてダイアークする。
基本ダイマックスすることないが、VSの場合だけ、往々として試合中1回しか訪れない眼鏡を倒すチャンスを逃さずにダイアークを打ち込むことがある。
また、の弱点保険を能動的に起動できるルートが増えたのも嬉しい。
怪電波:特殊ポケモンに対する最強のデバフ技。構築にはで入り、「方向への猫+スチル集中」読みで「後投げ+へ怪電波」を決め打ちする。の玉スチルはに4割程度の許容できるダメージ量。その後は「方向へウソ泣き+ドラグーン」をケアして「後投げ+へ2回目の怪電波」をする。ここでドラグーンを無効化できると笑顔になれる。Takaさんの影響で流行りつつあった「玉+猫手助け」に対し、初手「光の壁+怪電波」することで「方向への猫+玉大フェアリー集中」をされてもをワンパンされないようになり、無事2ターン目から壁展開ができる。
挑発:トリックルーム、胞子、マイナー構築(例:コーチング+とぐろ)に刺さる技。
ヤドラン
【調整】H202 A80 B147 C120 D129 S33
の暗黒強打15/16耐え。
の亜空切断急所耐え(白玉までなら確定耐え、命の玉だと乱数)
B+6プレスでHA確2。
B+4プレスでB132確1。
S実数値が33である理由は下記の通り。
【持ち物】防塵ゴーグル(5月まで)⇒ウイの実
防塵ゴーグルを持たせることで、のキノコの胞子を無視しながら要塞化できるし、の怒りの粉を無視して横のポケモンを殴れて、役割対象である構築に最大限優位に立てる。
しかし、全国大会ではゴーグルをに渡す明確な理由があったため、代わりのアイテムを考えることに。そこで、暗黒強打や亜空切断の急所をギリギリで耐える調整をしていることを考慮し、「ギリギリで耐えてからHPを回復して相手をボディプレスで倒せば、残りの駒に対して詰ませを続行できること」を評価して、最もHPを回復できるアイテムとして1/3回復実を採用。
【技】
ボディプレ:攻撃技。鉄壁からのボディプレスが強い。積み技を搭載していることからアシパも攻撃技の選択肢に上がるが、ボディプレスのほうが少ない積み回数で高い火力出せるし、「役割対象であるに対して、ボディプレスのほうが圧倒的に通りがいいこと」を評価してボディプレスを採用。
鉄壁:要塞化に必要な技
ど忘れ:要塞化に必要な技
怠ける:要塞化に必要な技
基本選出
自分でも見るのが嫌になるレベルの量で各アーキタイプに対する立ち回りを文字ベースで残しているが、記事に載せると見づらくなるため選出パターンだけ画像で載せる。
基本的にはの横にとのどっちを置くかだけを考えればよい。
まとめ
VGC2017から本気で取り組み始めてから、今まではずっと他人の構築をまねてばかりだったが、6年目の今年で初めてオリジナル構築で全国大会に出れたことにすごく達成感を感じたし、採用するポケモン、持ち物、技構成すべてに「これじゃないといけない理由」を持たせられたことについても達成感を感じている。
全国大会でプレミと運負けがなければ4-2以上で世界大会に進められたが、そこは自分がまだ未熟だということで反省。
なお、半年間の取り組みで得た経験やここ2日間のWCSの試合の視聴経験などを踏まえると、「要塞化構築はハイスコアは取れるものの頂点に立てない、頂点に立てないなら読み合いを拒否せずに受け入れろ」という感想に至ったので、来年以降はそれを意識しながら、全国大会出場や世界大会出場を目指して引き続き頑張りたい。